徳田が去ったあと、自分も参加することにした菅野が言う。
「お前、大丈夫か?」
え? と小春は菅野を見上げた。
「彰人にもてあそばれてないか?」
「……あそばれてますけど?」
と言うと、菅野は真面目な顔で黙り込む。
「ああっ。
そういう意味じゃなくてっ。
なにかこう、本当に猫をもてあそぶようにもてあそばれてますけどっ」
部長がなんの話をしてるんだ、という顔でこちらを見て行った。
そうか、と言いながら、菅野は渋い顔で、頭を撫でてくる。
「まあ、困ったことがあったら言えよ。
お前は……俺の妹みたいなもんだから」
そう、妹になりそびれたんですけどね、班長、と思いながら撫でられていた。
撫でてくるのが、彰人だったら、フーッと毛を逆立てて手を払っているところだが。