「お茶淹れてあげるわよ」
とまた言い出す姉に思った。

 どうしたんだろう。
 まさか、彰人さんを気に入ったとか?

 そんな風には見えなかったけど。

 そういえば、お姉ちゃんの口から班長の名前が自然に出てくるのって、かなり久しぶりなような……。

 その日は夜遅くまで、千鶴が誰かとしゃべっている声が壁越しに聞こえていたが、いろいろ考えていて、耳には入って来ず。

 ただひたすら、ドンジャラの夢を見た――。