キッチンと居間は続きになっているが、大きな食器棚で少し目隠しされている。
彰人のくれた箱を開けると、美味しそうなクッキーが入っていた。
「あら、あんたが好きそうなものね。
いい彼氏じゃない。
ルックスもまあいいし」
まあいいし!?
誰に向かって言ってんだ、この姉っ、と思ってしまった。
そこで、それ、いつ沸くんだ? と問いたくなる量の水を沸かし始める姉に、
「お姉ちゃんはいいから。
カップでも出してよ」
と言った。
自分も家事は得意な方ではないが、この姉はそれ以下だ。
化粧と仕事と、スポーツと勉強は出来るが、それ以外はあまり得意ではないようだった。
まあ、それだけ出来れば充分か。
なにより、この顔と身体でお釣りが来る、と思っていた。
……本当にあの人は馬鹿だな、と思ったとき、千鶴が言った。
「あんたの好きそうな顔ね」
はい?



