彰人が出張に出ていない。
今まではそれで普通だったはずなのに、小春は職場で物足らなさを感じていた。
あのかなりS気味の先輩が居ないと落ち着かないなんて。
いやいや、そんなはずはない。
そう思いながらも、家に帰ってからも、暇だなーと思い、ソファに寝転んで、スマホをいじっていた。
なんとなく、彰人の番号が目に入る。
寂しかったら、かけて来い、という彰人の言葉が頭に浮かんだ。
いやいやいや。
ないないないないない、とスマホを放り、目を閉じたとき、玄関のチャイムが鳴った。
ふて寝している自分の代わりに、姉が出て行った。
帰宅したばかりでまだ着替えていなかったからだろう。
彼女はノーメイクに部屋着だと、決して人前には出ないから。
「小春ー」
と気の無い声で呼びに来る。
「なんかすごいイケメンが来てるんだけどー」
はい? と思ったあと、一拍置いて、飛び起きた。



