私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

「はあ、では失礼して」
とスツールに腰を下ろして、彰人が珈琲を淹れるのをじっと見ていた。

 すると、彰人がこちらを見て笑い出す。

 どうした!? と思っていると、
「いや、そうしてると、普通の美人に見えるなと思って」
と言ってくる。

「しゃべらず、動かず、なにも考えてなかったら、モテるんじゃないか?」

「その人、生きてないですよね、きっと……」

 なにも考えてなかったらってなんだ、と思っていると、
「お前は顔立ちは悪くないのに、表情がすっ頓狂だから」
と言いながら、ほら、と珈琲を繊細な柄のカップに淹れて出してくれる。

 いい香りだ。
 すごく味があるというか、美味しい。

「美味しいです。
 なんていうか、味があるっ」
と言うと、

「そりゃ、味はあるだろ……」
と言われた。

「いえ、味があるっていう、味があるっていうか」

 必死に言っていると、笑いながら、彰人がこちらに来た。