芹沢彰人の家は予想外にすごいマンションだった。
いや、うちの会社、まあ、いい会社だが、若造が買えるか? こんなマンション、と小春は見上げる。
「もしや、ご家族とお住まいで?」
と言うと、
「ご家族とお住まいだったら、お前をお持ち帰りするわけないだろ」
お前、どんな種類の変態だ、と言われてしまう。
人を猫呼ばわりする、この変人様に。
「これは、うちの祖母のマンションだ。
今は空いてるんで、俺が使ってるんだ」
はあ、そうなんですか……。
おぼっちゃまのイケメン。
イケメンのおぼっちゃまか?
いや、どっちでもいい。
どちらにしても、ますます遠い生き物だな、と小春は思った。
なんだか入るのに手間のかかるマンションに彰人の後について入る。



