会社まで、繁華街の道を歩きながら、彰人は言う。
「そういえば、これって、デートじゃないのか?」
「いや、もう終わろうかと言う頃、なに言ってるんですか」
ただ、一緒にご飯を食べただけですよね? と確認しようとしたのだが、彰人は少し考え、
「デートってなにするんだろうな?」
と言ってくる。
「はい?」
「具体的にはなにをするんだろうな、デートって。
食事をするとか、映画を見るとか。
……そうか。
手をつなぐとかだな」
じゃあ、これはデートだな、と今、つないでいる手に力を込めてくる。
ややややや、やめてくださいーっ。
っていうか、よく考えたら、こんな街中で手をつなぐとかっ。
さっきまで、彰人しか目に入っていなかった小春は、ようやく周囲に目を向けた。
夜の街は、何処が不景気なのかというほど、今日も賑わっている。
絶対、この中に会社の人たちも居るーっ。
だいたい何処の呑み屋に行っても、大抵、誰か居るしーっ。



