ホテルの一階に降りた小春は、あっ、と声を上げた。
「そういえば、芹沢さん、呑んでますよっ」
送ってもらうというので、此処までついてきたはずだったのに。
「どうしましょう。
私、車ないし、私も呑んじゃったし、どうやって芹沢さんを送ればいいんでしょう?」
と呟くと、
「待て。
何故、そこで、お前が送る話になる」
と言ってきた。
いや、芹沢さんが私を送れない、となると、私が送るしかないではないか、と反射的に考えていたのだが。
「代行で帰るに決まってるだろ。
明日も車いるのに」
と彰人が言うので、
「そうですか。
じゃあ、会社までお送りしますよ」
と言うと、結局、此処も奢ってくれた彰人が、まだしまっていなかった財布で、パシッ、と頭をはたいてくる。
「だから、何故、お前が送ろうとする。
っていうか、俺を送ってそのあと、どうするつもりだ」
「え? 電車で帰るんですよ」



