「美味しいですね、このチーズナン」
「カレーが食べたかったんじゃないのか」
いや、カレーが食べたかったのは貴方ですよ、と思いながら、小春はもっちりと厚みのあるチーズナンを食べていた。
絶品だ。
マンゴーラッシーとの相性も最高、と思いながら食べていたが、彰人はカレーを食べる手を止め、何故か、ガラスの向こうでナンを叩いているインド人を見ている。
「見ろ。
お前が余計な情報を入れてくるから、あの人、ゲイなのかなと思って見てしまうじゃないか」
と言っていた。
「そうですね。
本当に、ゲイの人だったら、芹沢さんは襲われないようにした方がいいですよ」
と言うと、なんでだ? という顔で見てくる。
お互い、また食べ始めたせいで、そのまま、しばらく会話が止まってしまった。
うーむ。
ちょうど、ゲイのインド人に芹沢さんが襲われる話で止まってしまったではないか。
ちょっと気まずい、と小春はチーズナンを千切りながら、なにかないかと話題を探す。



