私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

 が、さすがにそれは口には出せなかったので、
「芹沢さんが食べたいものでいいですよ」
と言うと、

「いや、俺が待たせたんだから、お前のいいものでいい」
とこの王様は言ってくださる。

 いや、そもそも、送っていただくことになって待っていたわけですしね、と思っていると、彰人はそこで突然笑い出した。

 う。
 笑った顔はなかなかいい、とつい観賞してしまいながらも、
「……なんですか?」
と窺うように見上げると、

「いや、今日は、お前の好きなものを食え。
 俺の奢りだ。

 悪かったな。
 お前、あれがファーストキスだったんだってな」
と言ってくる。

 その話題を持ち出すなっ。
 掘り返すなーっ。

 恥ずかしくて、横に立っていられなくなるからっ、とじたばたしながら、

「初めてだったんですよっ。
 いけませんかっ!?」
と喧嘩腰に叫び返すと、いやいやいや、と彰人は笑う。