何故だ。
何故、呪っているはずの芹沢彰人とご飯を食べに行くことに……。
二人で通りを歩いていると、如何に、人が彼を振り返るかが、よくわかる。
そして、普段はいただくことのない、なにあの女的な視線を小春はいただいていた。
なんだろう……。
自分が芹沢彰人よりずいぶん劣っている人間だと証明されているようで、気に入らない。
あの女の子たちの視線に優越感に浸れる人間も居るのかもれしないが、私は苦手だ、と小春は思っていた。
そして、彼女たちではなく、彰人に対してムカついていた。
「なにが食べたい?」
通りの店を見ていた彰人に訊かれ、
「は?
ああ、そうですねー」
と曖昧な返事をしてしまい、
「お前、なに見ながら通りを歩いてたんだ?」
と訊かれてしまう。
店じゃないですよ。
視線だけで喧嘩を売ってくる女の子たちを窺っていたんですよ。
どうして、そんなに、この男がいいのかと思って―― と思っていた。



