私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

「階段でも、お前を抱き締めてたじゃないか」
と言われ、

「あれは、私がすがりついたんですよ。
 ……そういうことしそうにない人だったから」
と言う。

 彰人は溜息をついたあとで言った。

「なるほど。
 井川は悪くないな……。
 お前が隙だらけなんだ」

「……井川さんは、隙はないって言ってくれましたよ」
と何故か襲った井川の言葉を盾に、いじけたように言ってみた。

 彰人は横目にこちらを見、
「隙がないなら、なんで、襲われる事態になるんだ?」
と冷たく言い放つ。

「あの~、彰人さんと居るようになってから、色気があるようになったからって言われましたよ」

「……なにちょっと嬉しそうなんだ」

「す、すみません。
 そんなこと言われたことなかったので」

「いや、俺は前から、お前にも色気はないでもないでもないなと思っている」

「……その程度ですか」

 っていうか、それ、ないってことなんじゃないですか? と思いながら聞いていた。