私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

 なんだろう。
 この人、結構好きだな、と思っていた。

 この状況で、彰人は君に気がないわけじゃないと慰めてくれたり、彰人さんをかばってみたり。

 もしかして、好きになっていたかもしれない。

 彰人さんより前に親しくなっていたら。

 でも、そんな可能性はもうない。

 だって、気がついたら、いつも、彰人さんのことで頭がいっぱいだから。

 泣きそうになっていると、井川が言ってきた。

「ごめんね、小春ちゃん。
 困らせて。

 わかった。
 諦めるよ。

 その代わり、一回だけ。
 ね?」
と言ってくる。

 え、一回だけ、なに?

 ちょっと前言撤回。

 穏やかだけど、彰人さんより、押しが強くないですか?

 あの人はモテるせいか、嫌がったら、引くのも早かった。

 身を乗り出してきた井川がのしかかるようにして、口づけてくる。

 天中殺っ!
 昨日からっ、と思っていたが、本当の天中殺はこの先だった。

 スマホが鳴っている。

 ずっと待っていた呼び出し音だが、まさか、今、このときに!?