昼休みが終わるまで、あと少し。
なんとか菅野から逃れた小春は、ロビーに下りてみたが、彰人は居なかった。
もう部署に戻ったのだろうかと覗きに行ってみると、彰人はサンドイッチを食べながら仕事していた。
お昼休みも仕事してやがる。
いや、やがるってこともないか……。
おつとめご苦労さまです、と一人錯乱していると、女子社員が彰人に珈琲を持って行き、彼は笑顔で礼を言っていた。
王様、殺スッ!
「わああああっ。
こちびちゃんっ」
と誰かが小春の腕をつかんだ。
彰人が振り返りそうになる前に、思わず入っていってしまっていた企画課から連れ出された。
腕をつかんでいたのは井川だった。
「こちびちゃん、なにそれっ」
とこちびの手にあるものを見る。
分厚い書類を止めるための巨大ステープラー。
ほぼ凶器だ。
それを明らかに殴りかかるつかみ方でつかんでいた。



