私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~

 


 なんだかんだ言って彰人はひとり残してきた菅野の分まで会計を済ませてやっていた。

「あの、お姉ちゃんが班長をまだ好きってほんとなんですか?」
と訊くと、

「昨夜、あいつに電話してたんだろう?
 じゃあ、間違いないだろうよ」
と彰人は言う。

 なんで昨夜電話したら、間違いないんだろうな、と思っていると、
「彰人」
と泉田がやってきた。

「今週末、暇か?
 高坂(こうさか)が家でバーベキューやるとか言ってるんだが、来ないか?」

 こちびちゃん連れて、と言った泉田に、
「そうだな」
と言いかけた彰人だったが、

「いや、今週末は無理だ」
と答えていた。

「そうか。
 高坂が新築祝いのお返しもその場で配りたいとか言ってたから」
と泉田が話している後ろで、大きな身体を縮めた菅野が腰低く、手招きしていた。

 手には携帯がある。
 どうやら、まだかけていないらしい。

 それに気づいた彰人が、ちら、とそちらを見て、
「菅野、自分でかけろ。
 こちびを頼るな」
と大きくはないが、よく通る声で、ぴしゃりと言う。