「いらっしゃい、こちびちゃん」
笑顔で迎えてくれた泉田に、ああ、此処でも、こちびが定着している、と思っていると、泉田は、菅野を見て、
「えーと……彰人のお友だち?
自衛隊の方?」
と訊いていた。
まあ、確かにちょっとそんな感じだが。
「こいつは、班長だ」
と彰人がますます混乱しそうな紹介をする。
まったく、班長だの、王様だの、いろいろなんだから、と思いながら、泉田に通された席に着いた。
彰人を真ん中にして座り、しばらくは普通に呑んでいたのだが、二杯目を頼んだあとで、菅野が本題を切り出してきた。
「なんだ彰人、さっきのは。
俺が千鶴をフったってどういうことだ」
「いや、別れた原因はお前の浮気だろう」
ええっ、と小春は後ずさる。
あんなお姉ちゃんにベッタリだった班長が浮気とか。
やはり、男は信用できないと思った。
そして、何故か、菅野ではなく、彰人を睨む。
そういえば、さっきの花音って誰だ、と思ったからだ。
……訊きたい。
王様を逆さ吊りにしてでも、訊き出したい。
そうじゃないと、今夜眠れない気がするからだ。



