めぐる、めぐる、ヒカリ

今日のお夕飯は鯖の味噌煮とほうれん草の胡麻和え、ハマグリのお吸い物。

舌にまとわりつくような甘さの味噌煮を何とか喉に流し込む。


私は何も話さない。
鈴子さんもいつも通り、無言だった。

テレビは鈴子さんが寝室にしている部屋にしかないから、私達は本物の静寂のなかで食事をする。

とにかく、この場から一刻も早く逃れたくて私は早食いになった。

そんなに量も多くない食事をあっという間に食べ終えると、私は小さく「ごちそうさまでした」と呟いた。

初めの頃、何も言わずに片付けを始めた私に鈴子さんが言った。

どんな教育を受けてきたんだ、母親は何をしてたんだーーって。


ママを悪く言われるのだけは、どうしても許せなかった。
それ以来、「ごちそうさま 」だけは言うようにしている。

美味しかったとは死んでも言わないけど。