キーンコーンカーンコーン…。

HRの終了を告げる鐘が鳴り響くと同時に、教室内は一斉に騒がしくなる。

「一緒に帰ろ〜」

「先に部室行くぞー」

「先生、バイバーイ」

生徒達はそれぞれの目的に向かって動き出し、思い思いに口を開く。


いかにも田舎の公立高校といった雰囲気の黒い学ランとセーラー服姿の生徒達が行き交う様子を、私はぼんやりと眺めていた。

誰も私を見ないし、誰も私に話しかけない。

だって私は透明人間だから。