めぐる、めぐる、ヒカリ

その後のことは、あんまり覚えていない。

画質の悪い白黒映画でも観ているように、目の前の現実からは色彩も音声も抜け落ちていた。


多恵さんが綺麗にしてくれているリビングの床に、汚い靴下で足跡をつけた男達は泥棒ではなく警察だったらしい。

警察はママと私からパパを、幸せな日常を、奪っていった。

だから私に取っては、あいつらは泥棒と一緒だ。

私の世界の全てを、当たり前のような顔で奪っていった。


パパの罪状は公職選挙法違反と言うらしい。


その罪がどれだけ重いのか、私は知らない。私が全てを失っても仕方ないほど、パパは悪いことをしたのだろうか。


だけど、そんな事くらいでって私やママが言うのは決して許されない。
それだけはわかった。


私は三条先生のお嬢さんから、犯罪者の娘になった。