めぐる、めぐる、ヒカリ

坂下さんは、一言で言えば地味女子だった。長い黒髪を一つに束ねて、生徒手帳の模範通りに制服を着ちゃうような、そんな子。

華やかな女子の多いうちの学校では少し浮いちゃう存在なのは、仕方ないのかも知れない。

坂下さんを誘ったのは、別に正義感からじゃない。 あぶれた子をどうするかっていうあの微妙な空気が嫌いなのと、坂下さんが可哀想だからって全員クジになったりしないか心配だっただけ。


「依子〜。 俺、絶対依子と同じグループをひくから待ってろよっ」

教卓にクジを引きにいった勇平が大きな声でそう叫んで、クラス中が笑った。


私の毎日はそんな風に、平和に、楽しく
過ぎて行っていた。

悩みなんて、おでこに出来たニキビとか数学の宿題が面倒くさいとかその程度のことしか思い浮かばない。


少しの風もあたらないように守られた、この優しい揺りかごの中での生活が一生続くものだと私は信じていた。

終わりがくるなんて、思ってもみなかった。