残業2時間、幾分かは進んだけど、まだ先は長い。
椅子の上で大きく伸びをして、少し倒れる背凭れに背中を預ける。
グッと伸びをして、背筋を伸ばし、仰け反る。
反転した世界に、上下逆さまに立つ、綺麗な男性がそこに立って居た。
「メールしたんですよ。」
その彼に驚き、身体を反転させる。
椅子から転げ落ちるんじゃないかって程、びっくりした。
このフロアには居るはずもない彼。
「山野君・・・・・どうしたの?」
「どうしたの?じゃないですよ。携帯見てくれてないんですか?」
「携帯?あ・・・ごめん・・・・・」
何か大き目の紙袋を下げて、山野君は私に近づいて来た。
「けど、結果オーライってことで。」
「何が結果オーライなのよ?」
「石田さんはわからなくて良いんですよ。」
「何それ?」
私の目の前まで来た山野君はその大きな紙袋を差し出す。
「夕飯、まだでしょ?一緒に食べましょうよ。」
「まだだけど・・・どうして私が残業してるって知ってるの?」
「そんなこと良いじゃないですか。さ、食べますよ。」
そう言って、山野君は会議用のテーブルに、買って来たテイクアウトの料理を並べ出した。
3時の休憩も取らず、資料を作っていたから、お腹はペコペコだ。
並べられた目の前の料理に喉が鳴る。
「何見てるんですか?どうぞ、食べてください。」
山野君に声を掛けれて、我に返り、箸に手を伸ばす。
空腹だった私は、山野君にお礼を言うのも忘れて、料理を堪能していた。
「石田さん、美味しそうに食べるんですね。」
クスリと笑われ、箸が止まる。
「あ、ごめん。今日はありがとね。」
そう言って、私はお茶を煎れようと席を立とうとした。
と、掴まれた右腕。
「どこ行くんですか?」
「え・・・あ・・お茶煎れに?」
山野君の真剣で淋しそうなその瞳に私の胸はドキリと動いた。
「あぁ、すみません。お願いします。」
「どうしたの?」
「いえ、石田さんが逃げ出すんじゃないかって。」
「あはははは。どうして?どうして私が逃げ出すのよぉ。」
私はそう言い残し、給湯室にお茶を煎れにオフィスを後にした。
椅子の上で大きく伸びをして、少し倒れる背凭れに背中を預ける。
グッと伸びをして、背筋を伸ばし、仰け反る。
反転した世界に、上下逆さまに立つ、綺麗な男性がそこに立って居た。
「メールしたんですよ。」
その彼に驚き、身体を反転させる。
椅子から転げ落ちるんじゃないかって程、びっくりした。
このフロアには居るはずもない彼。
「山野君・・・・・どうしたの?」
「どうしたの?じゃないですよ。携帯見てくれてないんですか?」
「携帯?あ・・・ごめん・・・・・」
何か大き目の紙袋を下げて、山野君は私に近づいて来た。
「けど、結果オーライってことで。」
「何が結果オーライなのよ?」
「石田さんはわからなくて良いんですよ。」
「何それ?」
私の目の前まで来た山野君はその大きな紙袋を差し出す。
「夕飯、まだでしょ?一緒に食べましょうよ。」
「まだだけど・・・どうして私が残業してるって知ってるの?」
「そんなこと良いじゃないですか。さ、食べますよ。」
そう言って、山野君は会議用のテーブルに、買って来たテイクアウトの料理を並べ出した。
3時の休憩も取らず、資料を作っていたから、お腹はペコペコだ。
並べられた目の前の料理に喉が鳴る。
「何見てるんですか?どうぞ、食べてください。」
山野君に声を掛けれて、我に返り、箸に手を伸ばす。
空腹だった私は、山野君にお礼を言うのも忘れて、料理を堪能していた。
「石田さん、美味しそうに食べるんですね。」
クスリと笑われ、箸が止まる。
「あ、ごめん。今日はありがとね。」
そう言って、私はお茶を煎れようと席を立とうとした。
と、掴まれた右腕。
「どこ行くんですか?」
「え・・・あ・・お茶煎れに?」
山野君の真剣で淋しそうなその瞳に私の胸はドキリと動いた。
「あぁ、すみません。お願いします。」
「どうしたの?」
「いえ、石田さんが逃げ出すんじゃないかって。」
「あはははは。どうして?どうして私が逃げ出すのよぉ。」
私はそう言い残し、給湯室にお茶を煎れにオフィスを後にした。

