そっと、大きな掌が頭に載った。

あたしは相当不安げな顔をしていたらしい。

「違うんだ。その、だから、、


なんだ、、」

「違う、、の?」

下を向いた一花の顔は見えなかった。

「ん?顔、赤くない?もしかして熱があるの?風邪薬とか必要?それで家へ?」
顔をちゃんと見たくて、一花の顔をぐっと持ち上げた。
意外に柔らかい、でもあたしより断然しまりのある頬だった。
切れ長の目元、長いまつげ、真っ黒な瞳。
すっと通った鼻筋。
ほれぼれしそうなほど、きれいに整った顔つきを真正面から捉えた。

「ちがっ、、」
頬を挟まれ、慌てる一花。

「ん〜、顔、赤いような、、どんどん赤くなってきてる!大変?!そうだ!前にもらった解熱剤が、」

急いで立ち上がった。