私も、さすがにお腹が空いてきていたので、サンドイッチのパッケージを開け食べ始めた。
すると、
「う゛―――― 」
地底の底から唸るような声が背後から聞こえた。
「「な、なにっ?!」」
杏と振り向けば、
青白いオーラをまとって目がうつろになっている桜木くんが立っていた。
「恭輔っ!」
山口さんがすぐさま駆け寄る
ソファまで桜木くんを支え、そして座らせた。
「恭輔、なにか食えそうか?」
「あーーー。ぅん… プリ…ン」
へ?プ、プリン?! 若い男子でも食べるんだ…。
プリンの容器を机から手に取るか、と思いきや…。
な、なんですとっ?!
目を閉じて、えさを待つひな鳥のように口を開けてるではないかっ!!
そして、痛い視線が2つ、私に注がれている。
え…?なに…?
山口さんと杏の顔、そして、桜木くんが口を開けている顔を繰り返し、交互に見る。
「桃子…」
私の顔を見てから、顎で桜木くんを指す。
え…まさかと思うけど…まさか…ねぇ…。
しかし、杏の視線が鋭くなってきた。
あー。なぜ、私が…。
杏の無言の圧力に負け、プリンのふたを開け、スプーンを手にとり一口ぶんのプリンをすくい
桜木くんの口へと流し込む。
コクリと喉元を通っていく姿に、少しドキリとしてしまう…。
え…
私ったら、なんでこんなことで…。
動揺を隠しながら次々とプリンを桜木くんの口元へ持っていく。
そして、すっかり平らげたプリンの容器を机に戻す。
と、満足したのか、ソファにもたれ掛かり、桜木くんが寝てしまった。
え…。マジ?
ソッコー寝…。
てか、意識ってあったのかしら…。
気持ちよさそうに寝ている桜木くんの姿を見て
なんだか、胸のあたりがザワつくのが何なのか、今の私には気づくはずもなかった。

