恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「同じ家で暮らすなんて、マジ言ってんの?」

そう言われるのは仕方ないんだけど……。

「旬。この事、黙っててくれない?ほら、雪野先輩って凄く女子に人気でしょ?だから誰かに知られると……ちょっと」

私がそう言うと、旬が一瞬考えてから小さく頷いた。

「……だよな。学校中の女子が憧れてる雪野先輩と同居してるなんて知れたら……お前、キツいよな」

「まあ………そーかな……」

「分かったよ、誰にも言わない」

「ありがと……」

「けど」

旬は食堂の壁を軽く蹴って身を起こすと、私の目の前まで歩を進めた。

「雪野先輩が俺に言った一言は守る気ないから」