恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

……そうだ、この人は普通じゃないんだった。

こんな恐ろしい人が普通のミルクチョコレートなんて食べるわけがないじゃない。

私っておバカー……。

「フフフ」

口を突いて出た私の笑い声に、雪野先輩のスプーンが止まる。

「おい」

「はい?」

あら、なんかフワフワするけど。

気のせいかな?

何だかカーッと身体が熱いような。

ダルいような。

私はドサッと雪野先輩の正面に座った。

その勢いに驚いたのか、再び雪野先輩が手を止める。