恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

その時、カタンと音がした。

「早く出せ」

ダイニングの椅子に座った雪野先輩が、私を斜めに見た。

え、あ、カレー……?

……やったぁ。

「う、うん!」

カレーライスをよそい先輩の前に置くと、彼は箱の中からひとつ、角の丸い艶々したチョコレートを取り出した。

「ほら、口開けろ」

「あーん」

「黙って開けろ」

「うがっ」

思わず『あーん』と言ってしまった私にイラッとしたのか、雪野先輩は私の口にチョコレートを投げ入れた。