恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「あの、先輩。先輩さえよかったら……そのチョコレート一つと、カレーライスを交換してもらえないかなー、なんて……」

だって、夕飯がチョコレートだけなんだとしたら、ダメでしょう。

女子のダイエットでもあるまいし。

育ち盛りの男子生徒だし。

「…………」

「カレー、作りすぎちゃったし、その……」

また断られるかもだけど……。

私はドキドキして雪野先輩を見上げた。

「……」

私の言葉に一瞬眉をあげて驚いたような表情をしたけど、雪野先輩は直ぐに唇を引き結んだ。

「ダメ……?」

半分は問いかけて、半分は諦めの気分で私は俯いた。