恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

ん?

視線を落とすと、床に落ちた凄く高級そうな箱が眼に飛び込む。

これって……チョコレート?

流れるような筆記体で、パッケージにベルギーチョコレートって書いてある。

雪野先輩はゆっくりと床に屈んで箱を拾うと、チラッと私を見た。

「なんだよ」

「べ、つに」

まさかこの状況で、

『私、チョコレートが大好物でーすっ!』

なんて言えるわけがない。

殺されるかもしれない。

大好物だけど。

でも……。