恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

……雪野先輩、カレー好きかな。

これからお世話になるんだし、声かけてみようかな。

その時カタンと音がして、振り向くと雪野先輩がキッチンへ来ていた。

チラッと私を見ると、彼は足を止めることなく冷蔵庫へと進む。

「雪野先輩……」

「あ?」

「あの、カレー作ったんだけど、食べます?あ、食べる?」

「要らね」

……がくっ。

一秒以内で断られた。

先輩は冷蔵庫を開けると500ミリのペットボトルを手にして、私の隣をすり抜けた。

その時、彼が脇に挟んでいた何かがスルリと落ちた。