恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

その時ドキンと、ひときわ大きく鼓動が鳴った。

だって、雪野翔が凄く優しかったから。

壊れ物を扱うみたいにソッと、凄く大切な何かみたいに、彼は私をベッドに置いた。

「あ、あ、あのっ!」

悲鳴のような私の声に驚いたのか、雪野翔がベッドの上で動きを止めた。

至近距離で眼が合って、更にドキッとする。

「なんだよ」

「えっと、ありがとうございます……」

私がそう言うと雪野翔は一瞬眉をあげてこっちを見たけど、直ぐに眼を反らして言い放った。

「立てるようになったらサッサと用意しろよ。チンタラしてたらただじゃおかねーぞ」

こ、怖い……。

優しかったの気のせい……?

私は冷や汗の出る思いで、雪野翔の背中を見つめた。