恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

それから雪野翔は私の腕を引っ張り、ソファから起こすと短く言った。

「仕度しろ。行くぞ」

……へ?行くって……何処に……?

眼を見開く私を一瞥すると、雪野翔は旬に向き直った。

「片瀬」

バスケ部の旬よりも背の高い雪野翔は、至近距離から旬を見据えて低い声を出した。

「帰れ。今後一切コイツに近付くな」

長めの前髪から覗く切れ長の眼が鋭く光り、旬が息を飲むのが分かった。

「行けっ!」

「は、い」

掠れた声を出した旬は、こっちを振り返ることなく去っていき、後には私と雪野翔だけが残った。