恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「す、みませんでした……」

「お前、アイツと付き合ってんの?」

アイツ……?

あ!

やっぱ見てたんだ。

雪野翔は私を腕に抱いたまま、まるで離す気配がない。

「早く答えないと……また誰か来るぜ」

ヤバい、それは凄くヤバい。

「あ、の。付き合っては……ないです」

「……週末アイツと遊園地ってか?」

地獄耳?いや、犬だけに普通なのかも……。

「デートに誘われて……」

瞬間、雪野翔が僅かに眉を寄せた気がした。

「……」

「あの……」

「お前、あーゆー男が好きなのか」