恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

……っ!

瞬間、雪野翔がニヤリと笑った。

私を見て。

雪野翔の不敵な笑みは怖いのに綺麗で、私はしばらくの間動けずにいた。

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放課後。

今日は美術教室の日だ。

私はチャイムと共に校舎の一番端へと急いだ。

西側の非常階段から降りるのが、北門への一番の近道なんだよね。

急いで帰って少しでも早く美術教室に行きたい。

重いドアを押して非常階段に出ると生暖かい風が私の髪を盛大に乱した。

私はストレートのロング。