恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「や、やだ、離して」

チラリと雪野翔の瞳を見上げると、彼はわざとらしく両目を細めた。

おまけに、更に顔を近づける。

「はあ?離して?それは俺の台詞だろーが。お前が俺にしがみついてるクセによく言うぜ」

へ?!

そう言われてよくよく見れば、なんと私は無意識のうちに、雪野翔の服をギュッと掴んでいたのだった。

「うわっ!あのあの、すみませんでした」

慌てて雪野翔の服を離すと、彼はそんな私をマジマジと見つめた。

「ふーん」

へ?

なに?