恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「だから……俺を描いたのかよ……」

「…………!!」

先輩の低い声が部屋に響いて、私は心臓が止まりそうになって硬直した。

「俺が死ぬほど好きだから……この画を描いたのか」

せ、んぱい……!

な、んで。

「おい、こっち向け」

やだ、怒られる……!

「ご、めんなさい、勝手に……」

……実は、里緒菜先輩にコンクールに出す画を破られて、私は二度目の作品を先輩に内緒で仕上げた。

だって、画のモデルが先輩だったから。

あの日、あの満月の夜のあの日、プラチナ色の狼に姿を変えた先輩の画を、私は再びコンクールに出品したのだ。