恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

なに思い上がってんの、私……。

「瀬里?」

「そ、そうですか!わかりました!じゃ、じゃあ、あの、私はもう寝ます。お、お休みなさい」

「瀬里」

私は先輩から顔を背けると、身を翻して家に入り、二階まで一気にかけ上がった。

自室のドアを開け、ベッドに突っ伏すと、もうダメだった。

「う、うわあああっ……!」

好きだ。

先輩が好きで好きで、たまらない。

でも、先輩の好きな人は私じゃないという現実。

当たり前だよね。

地味で目立たない私なんかより、世の中には可愛い女子がいっぱいいるもん。