恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

綺麗な眼も精悍な頬も、通った鼻筋も意思の強そうな口元も、みんなみんな素敵で、私は言葉もなくただ先輩を見上げた。

「久し振りだな」

なんて綺麗な人なんだろう。

ああやっぱり、私は先輩が好きだ。

「満月が……綺麗ですね」

なぜか泣きそうになってしまったから、私はそれをごまかすためにそう言った。

「瀬里」

先輩がゆっくり私に近づいた。

「……はい」

「王に即位した」

王に……即位。

それって、王になれたってこと?!

先輩が人狼王になったって意味だよね!?

「やったぁ……やった!先輩おめでとう!」

嬉しい。凄く嬉しい。

その時、泣きそうになる私に先輩が、

「王に即位し、《満月の儀式》は無事に終わった」

カシャン、と胸の中で何かか割れるような音がした。

それは……それって……。