恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

そう訊けないまま、私は旬の胸に頬を寄せてガチガチに固まってしまった。

「じゃあ……俺とデートしてくれる?」

「……うん……」

「じゃあ、今週末の土曜日は?」

「うん」

僅かに頷くと、ようやく旬が私を離した。

「……やった」

それからニッコリ笑うと、

「行こ」

私の手をギュッと掴んだ。

信じられなかった。

夢みたいだった。