恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

名前は葉月。

活発で男勝りな女だったが、素直で可愛かった。

好きだと告げたのは俺の方からだったが、葉月も同じ気持ちだと聞いて、俺は決心した。

人狼であることを彼女に打ち明けようと。

ある日の夜、俺は葉月を呼び出し、秘密を打ち明けた。

葉月は、言い終えた俺を見上げて吹き出した。

「狼?!あははははっ!なに言ってんの、翔。からかってるの?!」

葉月が全然信じようとしないから、俺は意を決して狼に姿を変えた。

あの頃の俺は過信していたんだ。

葉月の愛情は深く大きくて、俺が人狼だと知ってもそれは変わらないと。

「化け物っ……!嫌ぁ!!」