恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

その桜花が今、惚れた男を必死になって庇っている。

自分の命を懸けて。

ふとその姿が、瀬里と被った。

それからアイツとのいつかの会話が脳裏に蘇る。

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『あんなの見て、俺が怖くないのかよ』

『あんなのって?』

『だから、狼に……変わるとこ見て』

『ビックリしたし、緊張しましたけど、そんなに怖くはなかったです。狼になった先輩の身体は素敵でしたよ』

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昔、俺には好きな女がいた。

透けるような白い肌の、眼の大きな女だった。