恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「だからちょっと待って」

そういえばまだ、先輩に言ってないことが……。

イラッと瞳を光らせて私を振り返り、先輩は何か言おうとしたけど、ポケットのスマホが振動したらしくチッと舌打ちした。

「……俺だ。……わかった、待ってろ。……すぐ行く」

……先輩……?

私を見た先輩の顔が凄く険しくて、すぐに何かあったんだと思った。

「瀬里、急用が出来た。悪いがひとりで帰ってくれ」

先輩が少し唇を噛んでから腕時計を確認し、その後私を見た。

私は先輩が心配で、思わず眉をひそめた。

「先輩、なんかあったの?」

「心配しなくていい」

「なに?教えて」

「大したことじゃない」

そんなわけない。

だって、なんか変だもの。

「やだ、私も一緒に行く」