恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

「入るぞ」

オフィスビルのような外観の、どこにでもあるような自動ドアを通過すると、中は予想に反してヨーロッパをイメージしたような内装で、私は少し息を飲んだ。

なんか……凄く素敵……。

中には様々な人々が行き交っていて、皆、自分の目指す場所に足を進めていた。

「あれじゃないのか?」

先輩の指差した方向に視線を移すと、両開きの重厚な木製のドアが開け放たれている先に、赤褐色の絨毯が見える。

そのドアの向こうに置いてあるイーゼルには、ウェルカムボードが置かれていて、《第二十五回朝夢新聞主催絵画コンクール》と書いてあった。

「行くぞ」

「待って!」

「なんだよ」