恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

先輩は今、翠狼の事を……?

確か昔……先輩と翠狼は仲が良かったって……。

私は先輩を見ずに、じゃれ合いながら空の彼方へ消えていくカモメ達を眺めて、口を開いた。

「翠狼は辛いんだと思います。先輩の事が心底憎いわけじゃない。先輩。私、思います。翠狼と先輩はきっと分かり合える時が来るって」

「……ああ。そうだな……」

砂浜に寄せる波は、宝石が散らばったみたいに太陽を反射して輝いていた。

少しでも先輩の心を軽くしてあげたいのに何も出来ない私は、めちゃくちゃ無力だ。

切なくて、でもこの空気を変えたくて、私は先輩を見上げた。

「綺麗だね、先輩」

「瀬里」

その時、先輩が身体の向きを変えて、正面から私を見つめた。

「……はい?」