恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

え……。

耳元で聞こえた先輩の囁きは一瞬で、私は思わず眼を見開いた。

今のって。


『いーんじゃね?』


も……もっかい、聞きたい。

もう一度、言って欲しい。

「今の、もっかい言ってもらっていいですか」

私がそう言うや否や、先輩はツンと横を向いた。

「アホか。いくぞ」

がーん!

素早く背を向けた先輩の顔を見ることは出来なかったけど、後ろ手に伸ばされた手が私の手を待っていて。

その手に、私の胸がきゅんとした。

や、ばい。なんか……嬉しい……!

「ほら、早く来い」

「……うんっ」

私は先輩の手をしっかりと握ると、騒ぎたてる胸に手を添えて歩き出した。