恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

いや待てよ、じゃあ世の中の女子は一体どうしてるの?

やだ、私ったら。

と、とにかくダメ!

したくても我慢しなきゃ。

したいからって、しちゃダメ。

だって私は先輩が好きだけど、所詮は片想いなんだから。

付き合ってるならともかく、私と先輩はそんなんじゃないし、その……。

私は先輩にキスがしたいという煩悩と死に物狂いで闘いながら身悶えした。

落ち着かなきゃダメ。

じゃないと先輩に……。

「あれ?!」

いねえ!!

どこいっちゃったの、先輩。

キスしたい欲望と必死で闘っている間に、目の前にいたはずの先輩の姿が消えているではないか。

忍者か。

……まさか。

狼だけど。

ああ。

先輩は、ひとりでガンガン妄想にふけっている私を見て、呆れたのか恐怖したのか、どっちだろう。

私はポツンと残ったダイニングキッチンで、クタリとテーブルに突っ伏した。