恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

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ガツン!ドタン!という音が聞こえた気がした。

反射的に眼を開けて、私は数回瞬きをした。

オレンジ色の小さな光に照らされた部屋は、先輩の部屋だった。

「先輩?」

部屋の中に先輩はいない。

じゃあ、今の音は?

痛む頭に耐えながら、私は一階へ降りると廊下を歩いてリビングへと足を向けた。

「……先輩……?」

ソファに先輩が倒れていた。

腕が力なく垂れ下がり、指がカーペットに触れている姿は痛々しくて、私は思わず先輩に走りよった。

「先輩!」

うつぶせになって眼を閉じていた先輩が、苦し気に私を見た。

頬の擦り傷が痛々しい。

「……瀬里」

「どうしたんですか、先輩。なにがあったの?!」

「気分は?大丈夫か?」

「先輩のが……怪我してる」

よく見ると、擦り傷だけじゃなかった。