それにしても、あのピアス……。

天狼神の魂から生まれたとかいう、先輩の耳のピアス。

凄く綺麗だった。

もう一度見たいなあ。

あのピアスに触れてみたい。

明日、もう一度先輩に見せてもらおう。

私はそう思いながら眼を閉じた。

今思うと……この時の私はまるで気付いてなかった。

徐々に強くなる執着心に。

天狼神の石への思いに……。