そんなのごめんだ。

私は波風たてずに地味に暮らしたいんだもの。

私は雪野先輩を張り付いたように見つめながら思った。

昨日の優しかった先輩は一体なんだったの?

今日はとんでもない腹黒男子だけれども!

もしかして、他人を踏み台にしてまで自分はのし上がるタイプとか……。

……私に心配なんかされなくないだろうけど、先輩の将来が思いやられるというか……。

「オラオラ、どーすんだよ」

「や、やります……」

先輩が勝ち誇ったかのようにニヤッと笑った。

「決まりな」

目眩がした。