「今日で、卒業かぁ……」
本当に、今日という日を心待ちにしていた。
一年前のあの日から、今日という日が来るのを心を躍らせながら待っていた。
長かった一年。
寂しくなかったと言えば嘘になるけど。
でも、楽しかった。
誉くんとは二人っきりで逢えなかったけど、廊下ですれ違うたび目と目で会話して、微笑み合った。
そんなささいなことが嬉しくて、毎日毎日電話をしては「目が合ったね」とか「あまり見るとバレちゃうよ」とか言って笑ってた。
それが無くなってしまうのは少し寂しいけれど、でも、その代わりにこれからは毎日誉くんに逢えるようになる。
それが嬉しくてたまらない。


