次の日、いつも通り学校に行くと下駄箱で亜矢に会った。
ちゃんとお手入れした黒髪をなびかせ、床に置いた上履きに細い足を入れていた。
みんなと同じことをしてるのに、亜矢だとそれも上品に見えた。
すると亜矢が私に気づき、
「おはよう、黒瀬さん」
私に向かってにこりと微笑んだ。
「おっおはよう…」
亜矢は颯爽と歩いて行ってしまった。
ギャル風の子たちは沙羅のような地味な子をバカにして相手にしてくれないけど、亜矢は人を隔てることなく誰とでも仲良くしてる。
そんなところも亜矢の人気の秘訣だ。
教室に行くと真奈美に会った。
「おはよう沙羅!」
「おはよう」
真奈美がクスッと笑った。
「ほらまた亜矢のこと見てる!」
「えっ…」
気づかないうちに視線の先には複数の人たちに囲まれた亜矢がいた。
また見てたんだ…



